【短】恋ごころ
あたしとタクヤは中学の時からの付き合い。
彼氏、彼女とかでも何でもないただの友達。
いや、もしかしたら友達でも何でもないかも知れない。
ただ寝たい時に寝る相手なのかも知れない。
あたしがタクヤに好意を持ち始めたのは高校に入る前からだった。タクヤとは別々の高校だけど今でもこうやって身体を重ねる時だけ会ってるって感じ。
こんなふうになったのもあたしがきっかけだった。
タクヤが追っている視線はあたしじゃないって事が分かってからあたしはタクヤに振り向いてほしいってずっと思ってた。
だから化粧だってバッチリきめてるし髪だって綺麗に巻いてネイルだって念入りに毎日ちゃんとしてる。
女なら綺麗になりたいって思うのが当たり前で頑張ってんのに、それでもタクヤはあたしを好きにはなってくれない。
でもふと囁いたあたしの言葉。
“あたしと寝てよ”
初めは“無理”って言ってたタクヤだけど、遊びで酔いつぶれたタクヤにせがんだあたしはいつの間にかタクヤと寝ていた。
あたしは好きなのにタクヤはあたしを好きじゃない。
でも、そう思っててもやっぱしあたしがタクヤを好きだから身体を求めてしまう。
そんなあたしにタクヤも何も言わずに身体を重ね合わせてくる。
もう…2年以上もこんな関係。
正直、もう嫌。