【短】恋ごころ
「あれだけ俺が電話しても出ねーし。俺を悩ますな」
一応悩んでくれたんだ。って思った。
つか、まぁ誰だって避けられたら考えるか。…多分。
「タクヤってさ、リオさんの事好きでしょ?」
暫くして突然、口を開いたあたしにタクヤは“は?”って顔をし、
「何言ってんだ、お前は」
そう言ってベッドに腰を下ろす。
「好きか嫌いかだよ」
「どっちでもねーよ」
「答えになってない」
「…んだよ、お前」
めんどくさそうに言ったタクヤは立ち上がり窓を開ける。そしてテーブルに置いていたタバコを取り口に咥えた。
「聞きたいから聞いてる。タクヤ…理由言えって言ったじゃん。それがあたしの理由」
「さっぱり分かんねーんだけど」
「好きか嫌いか。どっちか答えてよ」
ほんと、めんどくさい事を聞くあたしだ。
でも聞きたいよ。だって、今までずっとタクヤはあたしを見ようとはしなかったもん。
ただ、寝るだけの女だったもん。そんなの嫌だよ。
あたしから誘ったからってだけで寝ないでよ。
どっちか聞いて、もう終わりにしたいんだ。