【短】恋ごころ

タクヤは自転車に跨って、何かしてる。と言うか手に持って何かしてる。

多分、携帯。


だからだと思う。運動場に視線を移すと全速力で走ってくイズミを目で捕えた。


わざわざ呼び出したんだ…


会いに来て呼び出すほどイズミに話す事あるんだって思うと、あたしの顔色がだんだん悪くなってた。


ヤバイ。


あたし倒れちゃうんじゃないの?


ここから校門まではそう遠くはない。姿だってよく確認できる。なんならすっごい遠くで目で確認できないくらい校門が離れてほしかったくらいだ。


Γ気になる。気になりすぎる」

Γ……」


沙耶はそんなに気になるのかタクヤに近づいたイズミ達を見て呟いた。

つか、気になってるのって沙耶よりあたしじゃん!!


マジなんなの?2人なんか見ちゃって…。

馬鹿じゃん。イズミもタクヤも馬鹿じゃん。って言うか、あたしが馬鹿か。


情けないな、あたし。


Γ監視でもしに行っちゃう?」


沙耶の意地悪な笑いに思わずあたしは首をブンブン横に振った。


Γ行く必要性ないじゃん!!」

Γだってさ、魔性の女イズミの男を落とすテクニックってどんなもんか気になんじゃん」

Γなんないよ、そんなの」


知ってなんの意味があんのよ。


つまんない。




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