【短】恋ごころ

Γあれ?なんかイズミ、こっちに来るよ」


ふと囁いた沙耶の声に視線を向けると校門からイズミが校舎に向かって歩いて来てる。


なんだろ。どーしたんだろ。


こっちに向かってくるイズミはよくない表情。校舎に入ろうとする瞬間、3階から下を見下ろした時、怒ってた。

なんか機嫌がよくない表情。


Γあれ、絶対怒ってるよね?振られたんじゃない?」


沙耶が面白げにクスクス笑みを漏らした後、


Γ明日美!!出て来い!!」


校門からドでかいはり叫ぶ声にドクンと心臓が波打った。


Γ早く来ねーと乗り込むぞ!!聞いてんのか、明日美!!」


当たり前に叫んでるのはタクヤで、あまりの驚きにあたしは目を見開いてしまった。


Γはぁ!?つか、明日美ってアンタの事じゃないの?つか、明日美ってアンタしか居ないじゃん」


沙耶はビックリした表情であたしを見つめる。

状況が掴めない沙耶はあたしとタクヤを交互に見てた。


馬鹿。ありえない。馬鹿だよ!!こんな所で叫ばないでよ!!

みんな見てるじゃん。みんな、あたしを見てるじゃん。どーしてくれんのよ、あの馬鹿!!



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