【短】恋ごころ

「つか、お前そんな事考えてたのか?」

「……」


だって大事な事じゃん。

あたしが好きでもタクヤが違う人想ってたら嫌じゃん。


「つーか撤回」

「は?」

「リオを好きって言ったの撤回」

「どー言う意味?」


あまりの言葉にあたしは顔を顰めながらタクヤを見た。

タクヤはチラッとあたしに視線を送ると手に持っていたタバコを地面に落とし、足で踏み潰す。


「好きだったって言うか好きになろうとしてた。が、事実かな」

「ってか、ますます意味分かんない」


そう言うとタクヤはフーッと一息吐き空を仰いだ。


「明日美も気づいてねーかもだけど俺も明日美が好きだったんだよな」

「え?」

「もー2年も前の事」

「……」

「俺さ、自分の中で決めてんだよ。誰とも付き合わねーって」

「……」

「俺、こんなんだから付き合いたくねーんだよ」

「……」

「ぶっちゃけ俺、明日美との身体の関係保とうとしてた。だけど実際はこのままじゃいけねーよなって思ってたけど明日美には付き合おうって言えなかった」


“明日美を…壊したくなかった”


付け加えられた言葉にドクン…と心臓が波打った。


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