【短】恋ごころ

「俺、マジいい男でも何でもねーからさ、こんなんだし。付き合ってるって言う響だけで色んな意味で不安にさせたくなかった」

「……」

「だから、ぶっちゃけ明日美は俺の事を好きにならないでほしいって思ってた。冷たくしてたのもその所為…」

「……」

「だから明日美を避けリオに好意を持とうって思ってた。でもそんなの出来るはずねーよな」

「……」

Γまぁ、そんなんでリオも傷つけたくなかったし、リオもあの男がいるしよ」

Γ……」

「つか俺、マジでお前の事スキになりすぎてどーしょうもなかった」


呆れた様に話続けたタクヤは深いため息を吐き新しいタバコに火を点けた。

そんなの知らなかった。

2年前って…あたしと同じくらいじゃん…


お互い好きだったのに微妙な関係。


友達と恋人の境って何?


それって今のあたし達みたいなもん?

分かんないよ。


でも、あたしは聞いたよ?“明日美が好きだった”って…。それって過去形じゃん。もうあたしに好意はないって言う証じゃん。


「ねぇ、一つだけ聞いていい?」

「あぁ」

「イズミとは付き合ってんの?」


どーしてもこれだけは聞きたい。じゃないとあたし納得出来ないんだ。


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