隣のナイト幼なじみはヤンキー
目を開けたけど、前を向いてるリキの表情はわからない。


「待て~!」


「うわぁっ!桜太がうしろから、追いかけてくるっ」


「ざけんなよ?オレ抜けると思ってんのかよ……あのヘタレヤンキー」


ヘタレヤンキー!?


プッ……それは言い過ぎだよ。


リキの自転車は、人混みの間を抜け、2ケツなのに坂道もスイスイのぼってく。


気づけば、桜太の姿はもう見えなくなっていた。







「リキ~、もうスピードゆるめていいよ。疲れない?」


「花梨軽いし、一人で乗ってんのと変わんねー」


軽いとか、ウソでも嬉しいっ!


キュッてリキの背中に抱きつくと、リキはあたしの方を軽く振り向いた。


「昨日……あのあと、おじさん怒ってた?」


「ううん……」


まさか、性教育の時間になりましたとも言えないよ。




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