隣のナイト幼なじみはヤンキー
「……女連れで偵察に来るって、いい度胸してんな」


派手なシャツを着た男が、桜太の手を背中の後ろで締め上げて、地面にツバを吐き捨てる。


雷斗さんやリキがいたら、なんとかなるかと思ったんだけど、


あたしたちがモメる前に数台のバイクがどこかに向けて出発していて、その中にいたのか、二人の姿はここにはなかった。


「オレはどうなってもいいから……コイツだけは、返してやってくれ」


締め上げられた手が痛いはずなのに、桜太は苦痛に顔を歪めながら、そんなことを言ってる。


「桜太、そんなこと言わないでよ……。あたし、自分だけ逃げたりしないから!

偵察に来たわけじゃないんです!あたしたち、ケイさんに聞きたいことが……」


そう言って、ケイを見た瞬間……背筋がゾクッととした。


だって……。


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