隣のナイト幼なじみはヤンキー
「帰らない……」


「帰った方がいい。今日のアイツ、やたら殺気立ってるし。

走る前っていつも機嫌いいのに、今日はなんか違う。多分……アンタのせい」


「あたしの……?」


「多分、な」


矢吹さんは黙ったまま、あたしにヘルメットを渡してくれた。


リキはあたしには構わず、他のメンバーと、難しい顔をして、話しこんでいた。


とてもあたしが入れこめそうな雰囲気じゃない。


遠目でリキを見つめながら……


あたしは矢吹さんのバイクの後ろに乗った。


リキが何を考えてるのか、さっぱりわからないよ。


連れて来てくれたかと思うと、冷たい言葉を浴びせられて。


おまけに、お金目当てみたいな、ひどいことを言われた。


きっと、リキの本心じゃないよね?


あたしは……そう、信じてる。



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