大嫌いだから、ね?(短編)
 なんでいるの?



 光くんだ。

 男女の集団のなかに、光くんがいた。



 鋭い視線を私にむけている。

 私はぱっと、視線をそらした。

 ぎゅっと手すりを握り締める。



 どうして、なんで?



 毎日、電車に乗っていて、一度も会ったことなかったのに!?

 てっきり自転車通学だと思っていたのに。

 私の乗り降りする駅は学校から二駅しか離れていないので、自転車通学する人も多いのだ。



 もうすぐ、駅に到着だ。

 私の家と光くんのマンションは大きな公園をはさんでいるだけで、とても近い。

 だから、当然・・・降りる駅も一緒だ。



 逃げなきゃ。

 スタートダッシュが勝負!

 

 

  
 
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