大嫌いだから、ね?(短編)
 目の端に光くんの姿が見えた。

 

 なにいわれる? 笑われる?



 そう思うと、いたたまれなくて、顔をあげられない。

 立ち上がることも出来ない。

 

 もう、泣きそうだ。



 でも・・・



「大丈夫?」



 って、声をかけてくれたのは、光くんではなかった。

 顔をあげると、目の前に心配そうな顔をした、あの代表の男の人がいた。



「大丈夫? 立てる?」

「は、はい」



 差し出してくれた手につかまって、立ち上がる。

 


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