大嫌いだから、ね?(短編)
「え?」



 横を歩く背の高い光くんを見上げると・・・めずらしく、怒った顔していなくて、どちらかというと、優しい顔をしていたから・・・つい、本音をぽろっといってしまった。



「いじめっこ?」

「やっぱり・・・」



 光くんががっくりと、肩をおとした。

 

「やっぱ、そうなんだよなぁ・・・」

「光くん?」



 今日の光くんはなんだか変?



 気がつくと、目の前には公園があって、右に行くと私の住む住宅街、左には光くんの住むマンションが見えていた。



 雨も小降りになっていた。



 公園の入り口には大きな桜の木。

 花びらが地面にたくさん落ちて、それが広がりまるでピンク色の絨毯みたいだ。


「綺麗だね」


 
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