大嫌いだから、ね?(短編)
 あわてたような光くんの声が耳元で聞こえた。

 抱きしめられている腕にぎゅっと力が入った。



「ひ、光くん?」


 街灯の下、照らし出された顔はよく知っていて・・・私をぎゅっと抱きしめているのは、光くんだった・・・。



 どういうこと?



 安心したのと、わけがわからないのとで、涙がでた。



 ぽろぽろぽろぽろ・・・どんどん、あふれ出して、止まらないよ。



「わ! こら、泣くなって!

 涙止めろ!」



 光くんがあわてて言うけど、無理。



「止まらない・・・もん」

「泣くなってば。

 もう、ぜったい泣かさないって、決めてたのに」

「・・・よくわからないけど、光くんのばか!」


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