大嫌いだから、ね?(短編)
 私はぎゅっとにぎりしめたこぶしで光くんの、胸をたたいた。



「こ、こわかったよ!

 へ、へんたいかと思った」

「へ、へんたい!?」

「だって・・・黙ってついてくるんだもん」




 光くんが悪いんだから。

 もう、涙が止まらないよ。



 公園のベンチ。



「ほら。ミルクティでいいだろ?」



 泣きはらした顔で座っている私に光くんがあったかい飲み物を渡してくれた。



「・・・ありがとう」



 光くんが静かに、横に座った。

 そして、私にいった。



「ごめん」

「え?」



 なにをいわれたのか、わからなくて驚いて光くんを見た。

 散々小さな頃いじめられたけど、謝られたのは初めてだ。
  
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