大嫌いだから、ね?(短編)
めまいがした。
・・・なんで、
なんで、
どうして、
同姓同名とかじゃないの!?
ふらついて、よろめいた私は、とんっと誰かにぶつかった。
倒れそうだった私を強い手が支えてくれた。
「ご、ごめんなさい」
振り返って、ぺこりと頭を下げた。
くすっと、笑い声が聞こえた。
「?」
顔をあげて、見あげると、そこには・・・
ずいぶんと大人びて、背も伸びているけど、確かに見覚えがある顔をした人物がいた。
彼はにっこりと笑った。
私には、どうしても、悪魔の微笑みにみえたけれど・・・。
「ひさしぶり」
と、はっきりと私に向けていった。