本当の私、嘘の私
放課後

呼び出された通りに裏庭へ来た

「エラいじゃん!ゆーこと利くなんて〜」
「あんたさ、何で呼び出されたか、知ってる?」
「いえ、知りません」
「アンタ、わざと言ってんの?」近づいてきた先輩が、私の顎をつかんで、上に向けさせた

「ほ、本当に知らないんです…」
「あっそ、アンタ…川上夕に二度と近づかないで」
「話でもしたら、あんたのカオ、グチャグチャにするから」

なんで…
「分かった〜?」

なんでだろう

何でこんなこと言われなくちゃいけないの?

何でこんなことを思うんだろう

「オイ!聞いてんのかよ!」
先輩が拳を振りかざした
私は、両手で顔をかばいながら目をつぶって、来るであろう衝撃に耐えた


…………ん?
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