友達でいたかったの【短編】
*1
「亜衣ちゃんに告られたでしょ」
沙羅はいたずらっこみたいな笑顔を浮かべながら俺の隣に座った。
「…なんで知ってんの?」
「本人から聞いたの」
ペンを走らせながら揺れる沙羅の髪は、サラサラで…だじゃれじゃないけど、サラサラで少しだけ茶色がかってて思わず手を触れてしまいそうなくらいキレイだった。
「相変わらず顔広いな」
「それだけが長所ですから」
大きな瞳で見上げるように俺を見るのは小柄な沙羅の癖だった。
隣のクラスの友達から呼ばれた沙羅はその友達の元へと小走りに駆け寄って行った。