友達でいたかったの【短編】
「いや…」
沙羅は俺の隣の机にかけてある鞄をそっと持ち上げた。
「何してるの?」
沙羅は俺の顔を見なかった。
「あぁ…面談。進路のやつ。順番くるまで待ってんだよ」
「そっかぁ。わたしも確か来週だ」
そう呟くと、沙羅は自分の鞄の中を見ながら沈黙した。
今までは沙羅と話しているときの沈黙なんて全然気まずくなかったのに、今はすごく気まずい。
そして沙羅も気まずく思っているのが俺にも伝わってきて俺はさらに気まずかった。