友達でいたかったの【短編】


俺は沙羅が角を曲がるのを見て歩き出した。



もちろん沙羅の家の方へ。



‐これじゃあストーカーみたいじゃん。でももう暗いしな…。



俺は沙羅に気付かれないように一定の距離を置きながらついていった。



沙羅がときどき立ち止まるから俺はその度に慌てて距離をとった。



沙羅は立ち止まるときは必ず空を見上げていた。



こんな汚れた街じゃ、星なんかなにも見えなかったけど…。


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