友達でいたかったの【短編】



すごく、すごく悲しいのに…寂しいのに、俺は卒業式では泣けなかった。



泣けたほうがすっきりできたかもしれないのに。



だって俺が、俺たちが過ごしてきた日々はこんな短い形式ばった式じゃ表せないものなんだから。



俺たちが悲しいのは今まで送ってきた日々が、放課後残ってバカみたいに騒いだり、ダチと一緒に授業をさぼったり…そんな普通の毎日がなくなってしまうからなんだ。



みんなで呼び掛けをしたり、歌ったりできなくなるからじゃない。



そんな風に思ってしまう俺はひねくれてるのかな。



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