友達でいたかったの【短編】
泣き出す女子たちの中で一瞬目が合った沙羅は泣いてはいなかった。


なんとなく、俺と同じ風に考えてたのかなって思った。



俺と沙羅は似すぎるくらい似ていたから。



でも沙羅の瞳は俺とは違って力強かった。



遠くの何かを見つめているような。



俺は理由のわからない焦燥にかられたけど、それはまだ俺にとっての沙羅がどういう存在なのか気づく要素にはならなかった。


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