友達でいたかったの【短編】
「…こーちゃん?」
俺はびくっと肩を震わせて振り返った。
「沙羅…」
沙羅はそれを見ていつかのようにけらけらと笑い出した。
「どうしたの?こーちゃんち、こっちじゃないよね?」
「いや〜…おっ…お前こそこんな遅くまで何やってんだよ」
「私?みんなとカラオケ行ってたの」
「ふぅ…ん」
「変なこーちゃん」
沙羅は笑いながら道の端にしゃがみこんだ。
「…何やってんの?」
「雪だるま。」
沙羅はそう言いながら手袋もはめないで雪を固め始めた。
「ほら、こーちゃんは頭作って」
「は?なんで俺が」
「いーから」
「ったくしょぉがねぇなぁ」