友達でいたかったの【短編】
「俺は高田のジジィに資料の片付け手伝わされて…。
てかお前“こーちゃん”はやめろっつったじゃん」
「いいじゃん。こーちゃんはこーちゃんなんだから」
そう言うと沙羅はにこっと笑った。
「しょぉがねぇなぁ…」
“孝太”だから“こーちゃん”。
沙羅は友達になってすぐにそう呼び始めた。
俺は小さい頃親からそう呼ばれていたこともあって(笑)なんだか恥ずかしくていつも沙羅にこーちゃんって呼ぶなと言っていた。
「うわぁ。もう真っ暗じゃん」
沙羅は大声でそう言いながらマフラーを巻きなおした。