友達でいたかったの【短編】
並んで歩きはじめる。
風がすごく冷たくて俺と沙羅は同時に手をこすった。
「寒みぃ」
「寒ぁみぃ」
沙羅は俺の口調を真似るようにそう呟いた。
「ね、こーちゃんは進路どうするの?」
「んー、推薦狙ってるけど。どこでもいいからサッカー強ぇとこ」
「そっ、かぁ」
「お前は?頭いんだしトップ校狙うんだろ?」
「わかんない。どーでもいいよ、そんなこと」
‐いや、お前が話振ったんだろ
沙羅といると俺は基本ツッコミだ。
このときの俺はまだ沙羅を気の合う相方くらいにしか思ってなかったかもしれない(笑)