友達でいたかったの【短編】
「じゃぁわたし、こっちだから」
そう言って立ち止まった沙羅は暗闇で見るからか、なんだか白くてすごく弱々しくて、女の子なんだなって感じがした。
「あ、送ってってやるよ。もう暗いし」
「ほんと?やったぁ」
沙羅は悪びれもせずにっと白い歯を見せた。
「普通さぁ、遠慮しない?」
「ずうずうしいのは生まれつきなのッ」
軽い足取りで歩きはじめる沙羅を見て、俺はひとつ溜め息をつくとそのあとについて行った。