!! Eat you to by Kiss !!
ああ、いっそのこと地獄に落としてやってくれ。
そんな言葉も、ゲンの表情を見ると吐き出すことができなかった。
「どうして、柊なんだよ」
「俺、ああいうクセの強い子好きなんだよな」
「………………ああ」
ゲンの、何とも言えないその笑みに、僕はカワイソウという感情を抱いた。
ああ、カワイソウに。
どちらが、なんて考えたくもなかった。
僕は、趣味の悪い友人に対して、哀れみを送った。
そして僕の心の中は、万歳拍手喝采感激の嵐。
どうせ柊イトイも女子なんだ。
ゲンが本気を出せば、ころっとすり替えてくれるに違いない。
僕はそこまで考えて、自分が笑っていないことに気がついた。