僕が彼女といる理由




……………あ!?



百合と陽太はニコニコとして

ホットケーキの乗った皿を
僕に差し出した。



僕はすっかり自分の誕生日を
忘れていたんだ。



差し出されたホットケーキは三段重ねで、

一番上のホットケーキには

”happybirthday ユウト”

とチョコペンで書かれていた。




『ユウト、ケーキとか嫌いじゃない。

だからホットケーキにしてみたの♪』




僕は不覚にも、

ちょっと泣きそうだった。




『感激の涙、流してもいいぞ?』




…絶対、嫌だ。



ニカッと笑った陽太は

僕の心をよんだかのように




『じゃあ、

あとでこっそり泣いていいから!

これ、俺たちから!』




そう言って手渡されたのは

大きなコルクボードだった。




そして、そこには

たくさんの写真が貼ってあり


大学のイベントの時のから

三人で行った旅行の写真から

大学の食堂でいつのまにか
撮られてるようなものまで…



僕たちの今までの思い出がぎっしりだった。




『…泣いてもいいよ?』



百合がちゃかすようにそう言ったから


やっぱりちょっと泣きそうだったのに


泣かずにすんだ。





『…いや、でも嬉しいよ…

…ありがとう!』





陽太は満面の笑みで僕をみてる


が、百合はちょっと怪訝な顔をした。





『ユウトが泣く方に賭けてたのに〜〜!!』



『ほらな♪

優斗は意地でも泣かないと思ったよ』



…………コイツら。。。



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