僕が彼女といる理由
僕らは夕方になると
サークルの飲み会に参加した。


僕らのサークルはいわゆる

”楽しいことならなんでもやる”

サークルで、夏にはキャンプや冬にはスノボ、
映画の感想発表会や合唱、演劇、…

とにかく本当に気まぐれになんでもやっていた。



唯一、長く恒例として続いているのは

月1のこの飲み会くらいだった。



僕としてはそのままデートをしてても良かったけれど、

サークル内で付き合うと
若干付き合いが大切なわけで…


あとで色々言われるのも面倒なので
僕らはなるべくいつも参加するようにしていた。




僕らは店に入るとそれぞれの友達の側に座った。


『今日もデート?』


ニヤッと笑う百合


『まぁね、ラブラブですから』


一瞬びっくりしたような顔に

僕はまずいことを言ったような気になったけど

すぐに百合はちゃかすように


『聞いた?ラブラブですってぇ!

フツー自分で言わないから!』


と、林と一緒になって爆笑していた。



僕は少しなにかひっかかりを残しながら

アキの手前、あまり百合をかまわないように

いい具合に距離をとっていた。



林をはさんで斜め前に座った百合は

もうお酒がまわってるのか

陽気にケラケラ笑っていた。




『あ〜、そうゆえば、

百合も幸森さんとラブラブだっけぇ?』



急に林が触れたその話題に

僕の心臓はビクリと跳び跳ねた。



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