僕が彼女といる理由

コンビニでお酒を買うと

彼女はいつものお酒を手にした。


陽太君が好きだったやつ。




陽太君を初めて紹介された時、

二人はとてもお似合いの
カップルだと思った。



明るくて元気でラグビーでも
やってそうな体育会系の陽太君と、

人見知りでクールな
猫みたいな百合ちゃん



一見デコボコに見えて、
とてもバランスがとれている



そんな印象だった。




そして何より…

百合ちゃんが見たこともないくらい
幸せそうな笑顔で笑うんだ。






あまり頓着のない陽太君は

飲み会をやると
いつも同じものを飲んで
同じものを食べていた。


”特別好きというわけじゃないけどなんか選んじゃう”らしい。


彼には無自覚なことが多いようだ。



彼女をこんなに自分に惚れさせたまま

残して逝くなんて…




ちょっとくらい嫌なやつなら
良かったのに…





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