俺の好きな人
「あ、今の東野優里ちゃんだ」
気づいたように彰吾がいう。
「本当に女の名前はよく覚えてるな」
俺は立ち止まった彰吾を置いて先を急いだ。
「誠人は興味がなさすぎんだよっ」
オマエほどあるのもどうかと思うけど・・・・・・。
その言葉を飲み込む。
「東野ちゃん、モテるから知ってんだよ」
やっぱりモテるのか・・・・・・。
あれだけ可愛ければ仕方がないだろうけど。
「この前は同じクラスの男子3人。
学年の中だとたしか合計で・・・・・・3人含めて11人」
多い・・・・・・。
いつの間にか前を歩く彰吾の話に耳を傾けながら、携帯を開いた。
実紅から送られてきた朝の東野。