俺の好きな人
耳元でしゃべるとキモチワルイんだけど・・・・・・。
彰吾を軽く睨む。
「付き合ってねぇって言ってんだろ」
「へぇー、・・・・・・高梨!」
少し遠くにいる実紅を彰吾が呼んだ。
茶色がかった髪を揺らして振り返る。
右側にひとつにまとめてある実紅の髪。
「なんか呼んだ?」
近づいてくる実紅。
「誠人と付き合ってる?」
「は?」
間をあけずに実紅が声を漏らした。
「なに、いきなり?」
不信な表情を浮かべている。
顔はひきつっている。