俺の好きな人
想い
No1
ぼうっと空を仰ぐ。
校舎の一番端にある会議室。
風通しのいい、この教室は俺だけの一人になれる穴場のスポットだった。
他の教室に無断で入ることは禁止されているが
担任にここなら集中できる、と使うことを特別に許可してもらった。
そんな教室を俺はよくサボるときに使っている。
「東野・・・・・・」
何度目か分からない。
何度も同じ名前を呼んだ。
東野と会って、話をしてみたい。
実紅に言ってみよ。
きっとアイツならなんとかしてくれる。
白い雲がゆっくりと流れる空に手をのばす。
自然と身体も前に出る。