俺の好きな人
「むしろ怖ぇからやめろ」
平手で軽く頭を叩かれた。
「笑い顔似あわねぇ~」
彰吾は腹を抱えて笑い出した。
そんなに変なのか・・・・・・。
と自分でも悲しくなった。
人に愛想を振りまくのはあまり好きではないのは事実だった。
「じゃ、そろそろ戻るわ」
和弥がそう切り出したので、俺らも教室に戻った。
彰吾は和弥に無理矢理カラオケに行く約束をこぎつけていた。
俺も強制的に参加させられることになった。
教室にはいる瞬間、横切った女がいた。
4組の方向へ小走りで走っていく女。
通り過ぎたとき甘い匂いがした。
ふわふわと揺れる黒髪に目を奪われた。
ドク、と胸が大きく波打った。