俺の好きな人
No2
――――――誰なんだろう、あの女は。
授業中あの黒髪の揺れる風景が頭に焼き付いて離れなかった。
気になって仕方がなかった俺は家に帰ってから、
本音を話せる貴重な女友達の高梨実紅[たかなしみく]にメールをした。
実紅は吹奏楽部に所属しているのでたくさんの女友達がいた。
情報を持っているに違いない、と聞いてみたのだ。
『吹奏に髪長くて甘い匂いする子いない?』
できあがった文章を見て自分でも首をかしげる。
まぁいいや、実紅なら俺の変な性格も分かってくれる。
そう思って迷わず送信ボタンを押した。