まだ過去形じゃ愛せない
あれから10分くらい
経ったかな‥??
白川くんはあたしの左隣を
黙って歩いている。
なにか話してくれないかなぁ
なんて思っていたら
白川くんが歩くのをやめた。
「どうしたの‥??」
「んー‥‥‥」
そう言うと右手を差し出してきた。
え、これは‥‥
手を繋ごうという意味なのかっ?!
「ちょ、恥ずいから早く!」
「あ‥うん。」
ギュッと握ったその手は
暖かくて、言葉なんか
なくても
お互いの気持ちは充分に
伝わっている気がした。