生徒会長の悩み事*番外編*~姫と騎士の現代的な出会い方~
適当に誰かと付き合うっていうのもあんまり乗り気がしないんだよね…
「はぁ…」
キーンコーンカーンコーン…
ため息が出たところで帰りのチャイムが鳴った
「教室に鞄取りに行かなくちゃ…」
フェンスに寄せていた体を起こし
屋上の入口に手をかける
あ、今日は優月と一緒に返ろうかな?
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教室に戻ると優月が鞄に教科書をつめ、帰り支度をしていた
「ゆ~づきっ!!」
少し大きな声で優月を呼び驚かせようと後ろから抱きつく
あ、抱きつくっていってもハグだからね、ハグ
「早紀っ!どうしたの?」
案の定、驚く優月
「うん♪優月と一緒に帰ろうと思って呼びに来たの」
優月とは幼なじみで何かと気兼ねなく話せる私の大切な親友
ま、最近優月は生徒会だなんだであんまり遊べてないんだけど…
というか、今日一緒に帰れるのかな?
「今日は校内の見回りと生徒会の打ち合わせがあるから…
一緒には帰れなさそう…」
ごめんねと優月は申し訳なさそうに謝る
あちゃ~…今日も生徒会か
まぁこの子は生徒会長だし仕方ないか
うん
ひとりで帰るかな
「気にしない、気にしない!そんな事より見回りがんばりなよ優月!」
周りからは完全無欠の生徒会長だ、恐いだ、厳しいだとか言われてるけど
優月は根が優しいから…こういうの気にするんだよね
さりげないフォローも忘れずに…ね
「それじゃぁバイバイッ!また明日♪」
元気に手を振ってあいさつをする
「うん。また明日」
優月も微笑みながら手を振ってくれた
やっぱり優月といるときは一番落ち着くかも