太陽の輝く世界
「ほらな」

どや顔の彼を見て

笑うわたしに、

「あれ」

彼はある方向を指差した。

コンクリートの間から

必死に顔を出す、一輪の花が

そこにはあった。

「ここまで生きるの、

大変だよな。それでもここまで

生き抜いてきたこの花、俺凄い

って思う」

「…」

「あんた、この花ずっと

見てただろ?」
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