恋愛事情


『最近この辺来てないから
実は微妙なんだよねー』



「その為に
坂口くんに地図まで書いて
もらったんでしょ?」



『まぁねー

…と、あーここだよっ!
この家見覚えがあるもん』




りっちゃんが駆け寄って

玄関のチャイムを押した



「りっちゃん!?

これ、ポストに
入れるだけでいいって
先生言ってた…よね…?」



『えー直接渡した方が
いいに決まってんでしょ』



『でも…まだ
病院かもしれないね…』



りっちゃんが、何度か
チャイムを鳴らしたけど

誰も出て来る気配は
無かった…


ホッとしたような…

残念なような…


不思議な気持ち



ポストに
封筒を入れようとした時



玄関の扉が

静かに開いた…



『あっ!』



扉の向こうには


可愛らしい女の子が

立っていた


『え…と…果倫(かりん)
ちゃん…だよね?』



女の子は頷いた



『えっとーお姉ちゃん達は

果倫ちゃんのお兄ちゃんの
同級生なんだけどね…


…ええっ!!』



りっちゃんが話していると

果倫ちゃんは

突然、泣き始めた



『えーっ?
どどどーしちゃったの
かなー??』


珍しくオロオロする
りっちゃん…


『りっちゃんの顔が
怖かったとか…?』


こんな時に…
シャレにならないセリフを
さりげなく言う、ゆりっぺ



あたしは果倫ちゃんの前に
しゃがみ込んだ



すると


果倫ちゃんのスカートや

指先が


ところどころ


赤く染まっていることに
気が付いた…


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