当たらない天気予報
制服のスカートよりも短いスカートから真っ直ぐ伸びる脚に、やけにドキッとする。
男なんて、単純だな。
「翔子、生日おめでとう」
「ありがとう」
昨夜、日付が変わった瞬間にメールで交わした言葉。
改めて口に出すと、なんだかくすぐったい。
俺と翔子は、その足でティファニーに向かった。
一刻も早く、翔子にプレゼントをしたかったから。
空腹ではあったけど、昼食なんて二の次。
あの時は戸惑いながら店に足を踏み入れた俺も、今日は何食わぬ顔でティファニーにお邪魔する。
恵美がそうしていたように。
翔子はと言うと、やはり少し戸惑っている様子で俺の後ろを歩く。
「孝文、こういうところ来たことある?」
小声で翔子が耳打ちをする。
「勿論無いよ。でも、あんまりおどおどしてたら挙動不審だし、冷やかしだと思われちゃうじゃん」
しれっと嘘をつくが、こんなのは慣れっこ。
塾だ、友達との約束だと言いながら、散々恵美と会っていた。
罪悪感は無い。
だって、恵美には想いがこれっぽっちも無いし、俺が好きなのは翔子だけ。
お目当ては決まっているが、俺はわざとはじのケースから見はじめた。
見たこともない数字ばかりがつけられているジュエリー達を、流し見する俺と丸い目で凝縮する翔子。
男なんて、単純だな。
「翔子、生日おめでとう」
「ありがとう」
昨夜、日付が変わった瞬間にメールで交わした言葉。
改めて口に出すと、なんだかくすぐったい。
俺と翔子は、その足でティファニーに向かった。
一刻も早く、翔子にプレゼントをしたかったから。
空腹ではあったけど、昼食なんて二の次。
あの時は戸惑いながら店に足を踏み入れた俺も、今日は何食わぬ顔でティファニーにお邪魔する。
恵美がそうしていたように。
翔子はと言うと、やはり少し戸惑っている様子で俺の後ろを歩く。
「孝文、こういうところ来たことある?」
小声で翔子が耳打ちをする。
「勿論無いよ。でも、あんまりおどおどしてたら挙動不審だし、冷やかしだと思われちゃうじゃん」
しれっと嘘をつくが、こんなのは慣れっこ。
塾だ、友達との約束だと言いながら、散々恵美と会っていた。
罪悪感は無い。
だって、恵美には想いがこれっぽっちも無いし、俺が好きなのは翔子だけ。
お目当ては決まっているが、俺はわざとはじのケースから見はじめた。
見たこともない数字ばかりがつけられているジュエリー達を、流し見する俺と丸い目で凝縮する翔子。