当たらない天気予報
「だってー、可奈子は頭いいし!」
「頭の良し悪しの問題じゃないから。計画性の問題だから」
そうだけどさ、と駿が唇を尖らす。
「ある程度は答え写して埋めたんだけど、これとこれは解答が明日配られんの。で、明日までに出さないと補習食らっちゃうんだもん!」
いつもは何も入ってない(たとえ学校がある日でも)ぺちゃんこの鞄から、駿はテキストを出した。
ぱらぱらとめくると問題の正誤はさておき、最初の方は大分書いてある。
ページが進むにつれ、大して手がつけてなく、最後の数ページは全くの空白。
そんなのが2冊。良かった、去年より量が少ない。
「補習くらい受ければいいのに」
「まーじ勘弁!俺、明後日ライブだし!そんなの受けてる時間あったら練習してーし!」
声を大にして言う駿のあまりの必死さが、ちょっとだけ、可愛いなんて思えたり。
そういや今日はギター持ってきてないんだな。いつもは、あたしんちでもかしゃかしゃとギターを弾いてるのに。
尤も、今日はそんなことしてる猶予もないか。
「つーか、何で今日ガッコー行ってたの?」
「夏期講習」
「うわ、流石受験生。忙しいな」
「その忙しい受験生をただ働きさせようとしてるのはどこの誰」
「忝ないっ」
両手を目の前で合わせる駿に、それ以上あたしは厭味を言えない。
なんだかんだ言っても、あたしは駿に甘いんだ。
「…でもさ、駿は就活とかしないの?」
中学の時からギターばっか弾いてて、まともに高校受験すらしてない駿が、そんなまともなことしてるなんて到底思えないけど。
そして、着崩した制服姿かじゃらじゃらチェーンをベルトに下げたいかつい私服姿しか見てないのに、スーツ着て面接とかしてたら相当笑える。
「頭の良し悪しの問題じゃないから。計画性の問題だから」
そうだけどさ、と駿が唇を尖らす。
「ある程度は答え写して埋めたんだけど、これとこれは解答が明日配られんの。で、明日までに出さないと補習食らっちゃうんだもん!」
いつもは何も入ってない(たとえ学校がある日でも)ぺちゃんこの鞄から、駿はテキストを出した。
ぱらぱらとめくると問題の正誤はさておき、最初の方は大分書いてある。
ページが進むにつれ、大して手がつけてなく、最後の数ページは全くの空白。
そんなのが2冊。良かった、去年より量が少ない。
「補習くらい受ければいいのに」
「まーじ勘弁!俺、明後日ライブだし!そんなの受けてる時間あったら練習してーし!」
声を大にして言う駿のあまりの必死さが、ちょっとだけ、可愛いなんて思えたり。
そういや今日はギター持ってきてないんだな。いつもは、あたしんちでもかしゃかしゃとギターを弾いてるのに。
尤も、今日はそんなことしてる猶予もないか。
「つーか、何で今日ガッコー行ってたの?」
「夏期講習」
「うわ、流石受験生。忙しいな」
「その忙しい受験生をただ働きさせようとしてるのはどこの誰」
「忝ないっ」
両手を目の前で合わせる駿に、それ以上あたしは厭味を言えない。
なんだかんだ言っても、あたしは駿に甘いんだ。
「…でもさ、駿は就活とかしないの?」
中学の時からギターばっか弾いてて、まともに高校受験すらしてない駿が、そんなまともなことしてるなんて到底思えないけど。
そして、着崩した制服姿かじゃらじゃらチェーンをベルトに下げたいかつい私服姿しか見てないのに、スーツ着て面接とかしてたら相当笑える。