当たらない天気予報
学校に行く時でもたまにメイクはしていたけれど、こんなにばっちりメイクしたのは初めてかもしれない。
（セシルマクビーであのショートパンツを買った後、実はドラッグストアでマスカラやらグロスやらも買ってしまったのだ。全て、学年一可愛いの晴香がお勧めしてくれたメーカーのもの）


「私だって、それなりに可愛いじゃない…」


駅のトイレの鏡で、ぼそりと呟いた。
改札を出れば、晋が待っている。
晋は私を、可愛いと思ってくれるかな？








晋と合流して、私達はまず映画館に向かった。
横に晋がいる。晋が歩いている。
それがとても不思議で不思議で。
男の子の私服って、こんな感じなのかあ。
デートなんてしたことがない私には、何もかも新鮮で、何もかも違和感。


「真澄先輩、痩せた？」


映画のチケット売場に二人で並んでいると、晋が唐突にそんなことを言い出した。


「わ、分かる！？」


思わず声を上げてしまった私。
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