当たらない天気予報
明日の事とか明日の明日の事とか明日の明日の明日の事とか。
無限の時間の経過に流されて生きている事が、なんだか急に馬鹿馬鹿しくなっちゃって。
いつか相馬の事さえ面倒臭くなるのであれば、このまま全部を止めちゃいたいよ。
なのにさ。



「とりあえずは、俺の事だけ考えてれば?」



本人にそう言われると、妙にくすぐったいのは何でだろ。
何処か小慣れた常套句は、私が相馬の口から散々聞いてきた、言わば私への口癖みたいなもの。


「それすらも面倒になったって言ったら、相馬はどうする?」


そうは言ってみても、そうは思ってみても、結局私が相馬に飽く事なんて無いと相馬は思ってるんだろう。
だからほら、今もこうして私の手を引っ張って自分に引き寄せた。
でもあまりに勢い良く引っ張ったから私を支えきれなくて、相馬も私もその場に倒れこむ。
相馬の胸が顔に当たって、とくとく、あったかいよ。


「ありえないね」


にこ、と笑う相馬が嫌になるくらい眩しくて。
その自信が一体何処から来てるのかは謎だけれど、あながちそれは相馬の言う通りのような気がして、癪だけどそれ以上食って掛かって反論するのは諦めた。







END.
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