君のいない教室
「…いきなり、ごめんね。すぐに返事がほしいわけじゃないから…。」


内野は少しだけ顔をあげた。

そして、山田と数秒間見つめ合っていた。


もう、既にカレカノのような状況だった。


「わかった。じゃあ…1週間以内には返事するから。…ありがとう。」


内野は、そう言って、教室から出て行った。


「…いいのか?」

「うん。返事も、本当はいらないんだけどね。言いたかっただけだし。」

「そっか…。」

「大蔵、本当にありがとね。」


山田も、教室から出て行った。

僕も、帰る事にした。



何か…みら先輩に会いたくなってきた。

いや、ずっと会いたいとは思っていたけど。



限界が近づいて来たのかもしれない…。



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