君のいない教室
「全然メールの返事が来なくて、嫌われたのかと思いましたよ…。」


そう。僕はみら先輩に、何度かメールを送ったのだけれど、返事が来る事はなかった。

だから、ずっと嫌われたのかと思っていた。


「あっ!ごめん…。実は、公立高校に落ちちゃったでしょ?だから、携帯取り上げられちゃって…。春休みまでしか使っちゃダメって言われてたの。」


そうだったんだ…。

僕は、更に笑顔になった。


「ごめんね。心配掛けちゃって…。でも、次のテストで良い点取れば返してもらえるから。頑張るねっ!」

「絶対良い点取って、携帯を取り返して下さい!」

「うんっ!…あ、そうだ。もし取り返してもらえなかったら、メール出来ないから…。パソコンのメアド教えとくねっ!」


みら先輩は、カバンの中から白い紙とシャーペンを取り出し、メアドを書き始めた。

そして、ピリッと紙を破くと、僕に差し出した。


「はい!これで、毎日メール出来るよ~!」


みら先輩、本当に可愛すぎですよ…。

何でそんなに可愛いんですか?



< 19 / 103 >

この作品をシェア

pagetop