君のいない教室
ガラガラガラッ

音楽室の扉を開けると、山田と久保田が楽しそうに話していた。


そして…この間入部したばかりの、新1年生もいた。


「あ、海先輩に和希先輩、こんにちは!」

「…こんにちは。」

「こんちはー!」


内野は、誰にでも明るい。

それに比べて僕は、どちらかと言うと、暗い。

だってさ、つい最近入ったばっかの1年に、馴れ馴れしく話せるかっつーの。


「じゃあ、基礎練やる?」


久保田が言った。

皆、縦に首を振る。



先輩…

先輩は、高校生活を楽しんでいるでしょうか?



僕は…全然楽しくありません。


先輩がいないから…。


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