君のいない教室
僕は、みら先輩を家まで送って行く事にした。

その間、色んな話題を探し出したんだけど…

みら先輩の返事は「へぇ」とか「そう」とかだった。

やっぱり様子が変だ。


「…ねぇ、何で海君の親、家にいなかったの?」

「あ、昨日はたまたま2人共出張だったんです。今日母が帰って来ます。」

「そうなんだ…。」

「…先輩、どうしたんですか?何か元気ないですよ?」


僕は、思い切って聞いてみる事にした。


「何でもないよ。…もうここでいい。家、こっから近いから。…送ってくれてありがと。」

「いや、家まで送って行きます。てか、行かせて下さい。」

「いいって!海君が大変でしょ?大丈夫だから!」


最後の方は、みら先輩も笑顔だったから、安心して僕は帰る事にした。


「じゃあ、本当に帰っちゃいますよ?」

「うん。家着いたらちゃんとメールするから!」

「待ってます!」


そう言って僕達は別れた。



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