君のいない教室
学校に着くと、もう授業が始まっているらしく、体育館から元気な声が聞こえて来た。


――僕は、教室へは向かわず、保健室に向かった。

中には、保健の先生と話している生徒がいた。


「…久保田?」


生徒は、久保田だった。


「あっ、大蔵じゃーん!どうしたの?」


保健の先生も僕の方を見た。


「どうしたの?具合でも悪いの?」

「ちょっと寝てもいいですか?」

「いいわ。…久保田さんも隣のベッドが空いてるから、そこで寝なさい。」

「はぁーい。」


久保田は、ピンク色の方のベッドをとった。

僕は、水色の方のベッドへ腰を掛けた。


「今から会議があるから、しばらく保健室空けるけど…大丈夫よね?」

「はい。」


僕と久保田が同時に答える。

それと同時に、先生は保健室から出て行った。



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