君のいない教室
「ねぇねぇ~教えてよ~!」

「ごめん。今は言えない…。それ、遅刻した理由にもなってるから。」


久保田がびっくりしたような、驚いたような顔をして、僕を見ていた。


「まさか…別れた?」

「…うん。」


初めて沈黙が続いた。


久保田はきっと、何て言っていいのか、迷っているのだろう。

そして、やっと沈黙が破れた。


「…どうして?大蔵がフッたの?」

「みら先輩にフラれた。」

「え?何で!?みら先輩、本当に大蔵の事好きだったのに…?」

「そんな事知らねぇよ。」


ちょっとキツく言い過ぎたかもしれない。

でも、今の僕にはこれが限界だった。


これ以上何か言ったら、本当に泣きそうだった。



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