君のいない教室
キーンコーンカーンコーン


「私はそろそろ戻るけど…大蔵はどうする?」

「今、教室に行く気分じゃないし、まだここにいるよ。」

「そっか。じゃあ、また放課後会おうね!」


久保田は手を振って出て行った。


「…可愛い奴。」


ポソリと呟いた。


シャッ


呟いたのと同時に、カーテンが開く音がした。

そこにいたのは…内野だった。


「こんなとこで、何やってんの?内野。」

「それはこっちの台詞だよ。久保田と仲良こよしじゃん。」


その台詞にちょっとムッとした。

内野にそんな事言われる筋合いないと思ったからだ。


「お前に関係ねーだろ?」


僕は、鋭い目つきで内野を睨んだ。



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