君のいない教室
「ごめん、ごめん。で、実際の所はどうなの?久保田と。」


内野は、絶対何かを勘違いしている。

別に、久保田とはただの他人以上友達未満の関係なのに…。


「別に。久保田はただの友達だけど。」

「え~何か怪しい!」


そう言って、僕の体を穴があく程じぃーっと見つめて来た。

内野は何か言いたそうにしていた。


「…今度はナニ?」

「いやー本当に何もないのかなーって思って!」

「だから、何もないって言ってるだろ。つか、お前がいるなら、教室戻る。」

「えーちょっと話してこうぜ、海君★」


寒気がした。

何か、今日の内野はいつもと違っているような…


「お前…何か良い事でもあったのか?」

「よくぞ聞いてくれました、海君!実は…彼女が出来ちゃったのでーす!」

「…は?」

「だから、彼女が出来たんだってば!!」


嬉しそうに話す内野を、僕は恨みたくなった。



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